ガイド
スタンプカードは本当に効くのか
洗車場で行われた実地調査では、カードの作り方だけで達成率が15ポイント変わりました。必要な購入回数はまったく同じです。その結果と、小さなサービス業での活かし方をまとめます。
洗車場での実験
2004年、二人の研究者が専門の洗車場でスタンプカードを300枚配り、その後9か月にわたって何が起きるかを観察しました。条件はどの客にも同じです。8回洗えば9回目は無料。
違うのはカードだけでした。半分の客には空欄が8つのカード。もう半分には枠が10個あり、うち2つは渡す時点ですでに押されているカード。どちらのグループも、洗車8回を買う必要があります。特典も同じ、手間も同じです。
あらかじめ押されていたグループは34%がカードを使い切りました。空のカードのグループは19%だけです。ほぼ2倍。しかも店側の費用はゼロです。
NunesとDrèzeはこれを与えられた進捗の効果と呼びました。目標に向けて人為的に少し進めてもらった人は、そこに到達しようとより努力する、というものです。10分の2から始まるカードは「もう動き出しているもの」に感じられます。8分の0のカードは「まだ始まっていないもの」に感じられます。客観的には後者のほうが得なのに、です。
小さなサービス業にとって、これはどういう意味か?
実用的な教訓は「洗車を2回タダにしろ」ではありません。効いているのは目に見える進捗であり、紙のカードはたいていそれを壊してしまう、ということです。財布の中のカードは客が思い出して見たときだけ見えるもので、店側からはまったく見えません。誰があと1個なのかを知るすべがないのです。
- カードを空から始めない。有料のご来店を9回にしたいなら、11枠のカードを作って渡す時点で2つ押してください。計算は同じでも、達成率は同じになりません。
- 残りがはっきり分かるように。埋まった点が6つと空の点が3つは、「6」という数字より多くを語ります。
- あと少しの人を把握する。9分の8まで来ている客こそ、ひと声かける価値がある相手です。紙では、それが誰なのか知りようがありません。
そもそも再来店にこだわる価値はあるのか?
この分野の基礎研究は、1990年にハーバード・ビジネス・レビューへ掲載されたReichheldとSasserの論文です。顧客の離脱率を5%下げると、業種によって利益が25%から85%増えました。そのうち自動車整備チェーンでは30%でした。
ひとつ注意を。この数字は至るところで誤って引用されています。「25%から95%」と書かれているのをよく見かけますが、元の範囲は25%から85%で、その上限はある銀行の支店網ひとつから出た値です。正確なほうでも十分に強い根拠です。ネット上のものほど派手ではない、というだけのことです。
Returnpass での扱い
Returnpass のスタンプカードは、お店が決めた特典まで貯まっていきます。そして車のダッシュボードではなく、お客様の Apple Wallet の中にあります。お客様は開くたびに、埋まった点と空の点を目にします。お店側は管理画面で「お渡しできる特典」の件数を見られるので、すでに条件を満たしたお客様がカウンターで急に現れて驚く、ということがありません。
特典を渡すより回数を先に売るほうが合っているなら、回数券のガイドをどうぞ。同じ考え方のもう半分です。